東ソー、クロロプレンゴムのグローバル供給を強化、日本に750億円の新工場を建設
日本の化学大手東ソー(株)は、山口県周南市の南陽コンプレックスに第2の施設を建設し、スカイプレンクロロプレンゴム(CR)のグローバル生産能力を大幅に増強する野心的な計画を発表しました。
この拡張により、東ソーの年間生産能力を22,000トン増強し、世界的な需要増に対応することを目指します。
日本の化学大手東ソー(株)は、山口県周南市の南陽コンプレックスに第2の施設を建設し、スカイプレンクロロプレンゴム(CR)のグローバル生産能力を大幅に増強する野心的な計画を発表しました。約750億円(約4億6,000万ポンド)と見積もられるこの多額の投資は、この汎用性の高い特殊ポリマーに対する世界的な需要の高まりに対応し、高性能材料市場における東ソーの地位を確固たるものにするための戦略的な動きです。
2027年春に着工し、2030年までにフル稼働する予定の新工場は、年間22,000トン(m.t./yr)の生産能力を追加します。この拡張により、トーソーの全体的なCR出力は大幅に増加し、この重要な材料に依存するさまざまな業界の増大するニーズにより適切に対応できるようになります。
クロロプレンゴムは、耐油性、耐候性、難燃性など、優れた特性で知られる高性能機能性ポリマーです。これらの特性により、要求の厳しい幅広いアプリケーションに不可欠なコンポーネントとなっています。自動車分野では、ホースやベルト、さまざまな工業部品に幅広く使用されており、高性能接着剤の配合における重要な成分です。さらに、その用途は医療分野にも広がり、特に特殊な医療用手袋の製造にも及んでおり、合成ゴムの特殊製品としてバランスよく特性を発揮しています。
東ソーがこの事業拡大に多額の投資を行うことは、高性能ポリマーに対する世界的な需要の急増が予想されることに対する直接的な対応です。この成長は、世界的な自動車生産の増加率や、多くの産業部門での安全規制の強化など、いくつかの要因によって推進されています。また、医療分野を中心に、保護具に対する世界的な意識と需要の高まりも、CRのような材料のニーズ増加に大きく貢献しています。
この拡大は、従来の汎用製品よりも付加価値の高い特殊化学品の生産を重視する東ソーの「ケミカルチェーン事業」戦略と完全に一致しています。Skyprene CRのような利益率・高機能な素材に注力することで、東ソーは収益性の向上と市場地位の強化を目指しています。
新しい施設に既存の南陽コンプレックスを選択することは、サイトの確立されたインフラストラクチャとロジスティクス機能を活用し、グリーンフィールド施設の開発と比較してより効率的で費用対効果の高いアプローチを提供します。業界アナリストは、このプロジェクトの3年間の建設スケジュールは、クロロプレンゴム製造に固有の技術的な複雑さを強調しており、そのためには特殊な機器が必要であり、関連する化学プロセス全体を通じて厳格な安全プロトコルを順守する必要があると指摘しています。
